ワーママが独学で保育士になる!

仕事と子育てをしながら独学での保育士資格の取得をめざし勉強しました。2016年晴れて保育士になりました!

型にはめてしまう育児に要注意

今日は、個性や発達の個人差を、どのように考えるかということ。

とても難しいことですが、しっかりと考えて接することが大切だと思います。

とくに、真面目で一生懸命なお母さんにこそ、読んでいただきたいです。

 

劣等生が人気者に?

長女の保育園であった出来事です。
3歳児クラス(年少さん)の時に、新卒で採用され、キャリア3年目の若い先生が担任になりました。
若いのに真面目で一生懸命、子供も大好きで、私もとっても頼りにしています。
それは、今でも変わりません。
 
夏を過ぎた頃から、長女が特定の子の悪口を言うようになりました。
「Aちゃんはいつも最後まで食べてるの。」
「Aちゃん今日もお支度が遅くて怒られてたよ。」
今までそんな風に他人を評価したことを聞いたことがなかったので、とても驚きました。
しかも、どうやら我が家だけではなく、他のお子さん達も同じようなことを同時期に言うようになったようです。
なんだか悲しい気持ちになりながらも、まだ3歳児。
特にいじめなどに発展するわけではないので、とりあえず見守っていました。
 
そうこうしているうちに、年度が変わって、先生が変わりました。
新しい先生は、自身の子育ても終えたキャリアの長いベテラン先生。
すると・・・子ども達のAちゃんへの悪口がきれいさっぱり無くなったのです。
それはもう、びっくりするぐらい明確になくなりました。
それどころか、Aちゃんはクラスの人気者になったのです。
長女からも、Aちゃんは優しくて遊ぶのが楽しい、という話を聞けるようになりました。
そして、Aちゃんも生き生きと園で生活するようになり、年長クラスでは、お遊戯会のメイン役を立派にこなすようになったのです。
 

劣等感はどうやって生まれるのか?

さて、何が起こったのでしょうか。
ここからは、あくまで憶測です。
しかし、明らかな子供たちの態度に、おそらく半分程度は当たっているのではと思っています。
 
3歳児クラスの先生は、恐らく発達を固定的に見ていたのでは、と思います。
クラス担任になると、各個人の「発達の記録」を毎月作成します。
その際、例えば3歳でできるとされている、生活や人間関係や言葉などを意識するわけです。
3歳くらいだとどうでしょうか。
排泄や衣服の着脱などが日常生活で必要な身支度や生活が自立し、簡単なルールを守るなどの社会性が身に付き、自分の要求を言葉で表現することができるようになる、などでしょうか。
恐らく、Aちゃんはそれらのことが、他のお友達よりも会得するのが遅かったのだろうと思います。
 
でもこれは、あくまで「目安」なんです。
身長や体重と同じです。
人によってできるようになる時期には違いがあるのです。
しかし、それを固定的なものとしてみると、困ったことが起こります。
「〇歳児だからこれはできるはずなのに」、「普通は〇〇できるのにできない」。
そういった、負の感情を、対象児童について持つようになるのです。
 
その結果、できなかったら叱る。
叱られているのを見た周囲も、同様に評価する。
評価された児童は劣等感を持ち、委縮する。
委縮することで、他の個性や特性すら目立たなくなっていく。
こうして、子どもの伸びしろを奪っていくのです。
 

〇〇であるべきと型にはめない

その先生は、きっとたくさん勉強して、子供たちのことを考え、時に厳しくしながら発達を支援してくれたのだと思います。
しかし、子どもはこのくらいの年になったらこうあるべき、という型にはめすぎるとその型にそぐわない子供たちは行き場がなくなってしまいます。
運動神経がいい子もいれば、芸術的なセンスが高い子もいる。
順応性が高い子もいれば、とても慎重な子もいる。
それぞれの個性を見極め、急がず、子供の成長を見守るのはとても大切なことです。
 
「できない事」に焦点を当てるのではなく、「できること」に焦点を当てると子育てがもっと楽になります。
自分で靴は履けないけど、走るとすごい早いの。
何をするにものんびりだけど、焦ったり怒ったりすることなくどっしり構えてるわ。
小食であんまり食べないけど、好き嫌いはしないの。
 
発達には個人差があることを十分に理解し、個人のペースや性格を大切にして接してください。
いいところを伸ばしていくうちに、自信がつき、できることが増えていくはずです。